じゃんくな日々

気ままに書きなぐってます。ゲームについてが多いかな。

ある悪魔憑きの苦悩〜佐久間弘幸の場合〜

この世界には悪魔憑き(ディアボロス)と呼ばれる存在がいる。
それは悪魔寄生体と呼ばれる生物に寄生され、超常の力を得てしまった存在である。


どうしてこんなことになっているんだろう。
それは佐久間弘幸が悪魔憑きになってから時々考えることだった。
弘幸は特に何か特別なことがあって悪魔憑きになったわけではない。
たまたま、彼の知らないうちに悪魔寄生体に感染し覚醒しただけだった。
なので、ここで彼の「どうして」に答えてくれるモノはいない。
それは弘幸自身もわかっている事だが、それでも自問せずにはいられなかった。


悪魔憑きになってすぐにセラフィムという組織の人間が接触してきた。
セラフィムは表向きは人権保護を掲げたNGO団体だが、その実態は悪魔憑きの互助団体だと説明された。
セラフィムは悪魔憑きについて丁寧に説明してくれた。
曰く、悪魔憑きはさらに2種類に分類される。
ヴィシャスまたは寄生体と呼ばれる本能のままに暴れるようになった存在と、マイトまたは共生体と呼ばれる理性を残したまま悪魔憑きの力を振るう存在にだ。
そしてセラフィムは悪魔憑きが発見され、それがマイトであれば保護をヴィシャスであれば排除を行っているそうだ。
なお、悪魔寄生体には能力別にも分類されている。
これについては後に随時説明することにするが、弘幸はブリガンダインと呼ばれる氷と防御の力に秀でたマイトである。
ある程度説明されたところでセラフィムへの協力をお願いされた。
正直なところ、今年受験生なので勉強に集中する為に断りたかった。
が、ある程度の謝礼と食事の提供があるというのが魅力的だった。
ここ最近食事の量がハンパなく増えていてただでさえ貧乏なのがもっと貧乏になりそうだったのだ。
どうやらそれも悪魔憑きとなった影響らしく、だからセラフィムは協力条件に食事についてを明文化しているのだった。
「背に腹は代えれませんね。協力いたします」
ここにセラフィムエージェント佐久間弘幸が誕生したのだった。
この時彼は、今年受験生だからそんなに協力しなくてもいいだろうと考えており、これから起こる大事件の中心に自分がいることになるなど想像すらしていなかった。


デモンパラサイト (Role&Roll RPGシリーズ)

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