アニメ版ナイツ&マジックの感想 1
ナイツ&マジックはおいらが小説家になろうを知るきっかけとなった思い入れある作品っす。
小説家になろうお約束の異世界転生モノで、ファンタジーロボット世界にロボオタクが転生して暴れる話っす。
ですが、主人公機の登場が遅いので商売的な問題でアニメ化は難しいと思っていたっす。
まどか「どのくらい遅いんですか?」
えっと文庫本3巻のラストで完成して、活躍するのは4巻からっすね。
まどか「それは、1クールだと確かに難しいですね」
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』が1クールで2巻分っすからね。
まどか「あれも削られてるんですよね?」
ベルくんの異名を決める神様たちの会合シーンはアニメで見たかったのに残念っす。
それはそれとして、区切りのいいところだと先ほどの3巻の主人公専用機イカルガの完成で終わるのがギリギリかなと思っていて、でもそれだとアニメだと地味になるからアニメ化は無理だと思っていたんすよね。
まどか「そしたらアニメ化したんですね」
いやビックリしたっす、そしてどこまでの話をやるのかドキドキしたっす。
そしてそんなアニメが先日終わったわけですが。
まどか「ですが?」
先に簡潔に言うと全体的に雑でした。
まどか「雑、ですか……」
まずアニメ化されたのは小説5巻まで。
まどか「5巻!?」
それを1クールに収めようとしたのでものすっごいダイジェストになったんです。
まどか「それは、そうなりますね。というかなぜそんなに詰め込んだのでしょう?」
やっぱり主人公専用機がバリバリ活躍する5、6巻の大西域戦争編をやりたかったんじゃないかな。
ロボットアニメとしてはそうしないと売れない可能性が高かったんじゃないかと。
まどか「なるほど、納得できそうな意見ですね」
で、その結果内容はロボットアクション全振りで、ストーリーや設定をおざなりにした雑アニメでしたっす。
あれはもう制作側もロボアクションだけだと割り切って作ったんじゃないっすかね。
まあ、そんなわけだったとしても色々と言いたいことがあるんすよ。
それをツラツラと言っていこうかと。
まどか「まだこの記事の本編始まってなかったんですね」
あ、ここからネタバレになるので見たくない人は戻ってくださいっす。
というわけで頭から。
●何の特訓?
シルエットナイト(ロボット)のナイトランナー(操縦者)になるために早朝特訓するエルくんが双子に出会うシーンですが、これ魔法の特訓っす。
まどか「えっと屋根の上を走ってましたけど、魔法?」
操縦に必要な魔力を増やすために、エルくんが採用したのが身体強化の魔法を使っての立体機動だったんすよ。
まどか「えっと魔法を使うと魔力が増えるってことですか?」
そうそう、筋力みたいに負荷をかければ回復する時により魔力が増えるってことで、そこそこ難易度が高くてずっと発動してても周りの迷惑にならないってことで身体強化の魔法を採用して特訓してた。
というわけでこの作品は設定的な話はほとんどしません。原作未読者に分かりやすいようにロボアクション特化なのに、話は原作未読者を振り落としていくスタイルです。
●消えた双子の兄の影
実はキッドとアディの双子には、正妻の娘のステファニアだけじゃなくステファニアの弟で、双子にとっては兄がいるっす。
で、こちらはステファニアと違って妾の子である双子を見下していて、学園でアディを人質にとってキッドに決闘を挑みボコボコにしようとするも、アディをエルが救出してそれによってキッドが逆転するってエピソードがありましたがバッサリと彼の存在そのものがカット。
まどか「可哀想……」
まあ、これ以後一切出てこないのでカットしても影響ないんすけどただ一点だけ。
アニメでステファニア初登場の時に、彼女が去って双子の家庭事情を聞いたエルが
「事情は了解しました。それで今後の方針は? 撃退ですか? 黙殺ですか? それとも闇討ちですか?」
といきなり物騒なことを言い出すっす。
このセリフ実は先ほどの兄が初登場の時に、双子に暴言を吐いて去った後のエルのセリフなんすよね。
まどか「ステファニアへの対応にしては選択肢が物騒で違和感があると思ったら、そういうことだったんですね」
そうなんすよね、ステファニアに対するには不適切であるこのセリフだけ何故残したんすかね。
●アールカンバーに乗っちゃった
エルは演習中に見張りのエドガーに誘われて彼の乗騎であるアールカンバーのコックピットに乗せてもらうも、小柄な彼では足が届かないシーン。
まどか「この作品の代表的なセリフである、ロボットは浪漫と答えるところですね」
そもそもここで乗せたらダメだろう!
まどか「え、いきなりなんですか!?」
このシーンは乗りたいのを断腸の思いで我慢して「ロボットに乗る時は動かすときです!」ってエルが断るからこそ、彼のロボット愛が堪能できる大事なシーンなんすよ!
それを、それを乗せちゃってどうするんすか!
ここで我慢したからこそ、この後のグゥエールへの搭乗で嬉しさが爆発するのがいいんじゃなっすか。
それを台無しにしたこのシーンはオイラの中でこのアニメに対する評価がダダ下がりになったシーンでしたっす。
さっきの兄のカットは許せても、これは許せなかったっす。
まどか「(ここは下手にツッコむとまずそうですね)」
ということで、特訓の説明と兄のカット、でもセリフの不自然な残しとこの乗せちゃった件でオイラの中でこの作品の評価が1話にして「雑」に決まったようなものでした。
続きます。
- 作者: 天酒之瓢,加藤拓弐,黒銀
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